タイトル通りの友人がいる。

その彼はサラリーマンを3年で辞め、小さな事務所に入った。

その事務所でどんな仕事をしていたのかは知らないが、月収は10万程と言っていた。

その時の私はサラリーマンで月収は30万弱。もう少し欲しい所だったが、生活するには問題ない収入。

「月収10万は厳しくない?」そう彼に言ったのを覚えている。

「まぁ今はね、そのうち脱出するから大丈夫」

月収10万円の友人は、何の自信があるのか、キリッとした眼差しでこちらを見た。

それからしばらくはお互いが忙しくなって、会う機会がなかった。

 

 

3年ぐらい経ったある日、LINEにメッセージが入った。

「久しぶり。近くにいるけど飲みに行かない?」

私の家の近くに仕事で来ていた友人からだった。

たまたま休みで家でする事がなかった私にはナイスなお誘いだった。

 

 

飲み屋で近況報告を済ますと、話題はいつもの仕事の話へ。

「事務所を辞めて、独立したんだ」友人は個人事業主になっていた。

以前、働いていた事務所で仕事のスキルと人脈を確保し、メドが立ったので起業したようだった。

そうなると聞くのはもちろん収入のこと。

「んー、安定してるわけではないけど、月の平均は150万ぐらいかなぁ」

自慢げもなく、あっさりと友人はそう言った。

「150万、、、すごいな。」耳を疑った。その時の私の月収はまだ30万だった。

「別にすごくないよ。月収150万じゃ好き勝手に生活できるレベルじゃないし、もっと稼がないと」

その時のキリッとした眼差しは、あの月収10万円の時と同じだった。

「目標は1億かな、それぐらい稼いでいる人もいっぱいいるし」

そう言って友人はキリッとした眼差しでこちらを見た。

その後、他愛もない話で盛り上がって、友人と別れた。

 

 

学生時代を思い出してもその友人は、勉強ができたわけでもなく、運動も人並み。

それより遅刻が多く、授業の終わりに来ることも多かった。

ギターを教えてくれと言われて教えた事があったが、1週間ぐらいで「オレにはムリだわ」と言って投げ出していた。

ただその時から、いつもキリッとした眼差しで愛想が良かった。男友達も多く、女子にもモテていた。

 

 

ビジネスで成功するのは何も成績優秀で努力家であるケースが多いわけではないと聞くが、本当にその通りだと実体験で感じている。

最終的には人間力の高さこそがビジネス力なのかもしれない。

サービスや商品が定番で特筆するものがなくても、売る人の人間力によって何倍もの魅力がプラスされている気がする。

友人のキリッとした眼差しは、その事を教えてくれたようだった。