「あー疲れたわー」
以前の職場に1つの業務を終わらす度に必ずこのセリフを言う人(30代男)がいた。
私はこの人の事を勝手に「疲れ人」と呼んでいた。もちろん本人に言ったことはないが。。
打ち合わせから帰ってくると「疲れたー」
外回りから帰ってくると「疲れたー」
イベントの本番業務から帰ってきた時なんかは、
「あー疲れたっ、マジ疲れた、今日イチの仕事はやっぱキツイわ!」
これを言われると「お疲れ様でした!大変でしたねー」と後輩たちは言わざるをえない。
その「疲れ人」は人からチヤホヤされたい性格なのだろう、後輩たちに労いの言葉をもらってからも、
「マジきつかったで今日の仕事!あーこのしんどさ、君らにはわからんやろうーなー」
と自分が1番しんどい仕事をしているアピールを欠かさない。
「疲れ人」は私の同期だった。年は3つほど下だった。
仕事はマジメにやるし、ムードーメーカーで明るいやつだった。悪いやつではない。
ただ「疲れたアピール」がものすごく、嫌な顔をしている人も多くいた。
大きなイベントで私の後輩がその現場のリーダーを任された。
大量の作業と大きなプレッシャーがある中、後輩はその業務をやり終えた。
みんなから「今日はよくやったね!お疲れ様!」と言われても、その後輩は、
「いやーほとんど先輩達がフォローしてくれたんで、自分は楽させてもらいました!」
と先輩を敬うセリフを嫌味なく言った。疲れたなんて一言も言わない。
そこへ疲れ人が帰ってきた。
「あー今日の打ち合わせ、難航したわー。気難しいお客の相手は疲れるわ〜」
と言いながら。するとリーダー業務を終えた後輩が、
「お疲れ様でした!先輩、気難しいお客様ってどうやって説得してるんですか?教えて下さい!」
と自分は疲れ切っているはずなのに、先輩を立てて質問をした。
疲れ人はそれがわからないのか、
「よっしゃ!じゃあ俺のスペシャルトーク術でも伝授してやるか!」
と気分良さげに後輩に話し始めた。
こういうことが日常の景色だった。
どんな仕事でも疲れるのは当たり前。
それをわざわざ言う必要はないと思う。
「お疲れ様」は相手に言ってもらう言葉であって、自分で言うものではない。
家族や身内に「疲れたわー」というのは別にいいだろう。
だが仕事場でそれを連呼するのには違和感を感じる。
自分で疲れたアピールする前に、まずは他人にお疲れ様と労いの言葉をかけるべきだろう。
仕事をしている人はみんな疲れているのだから。
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