本を読むのが遅い私が、本について少し書こうと思う。

決して本が嫌いなのではなく、むしろ好きなのだが、とにかく読むスピードが遅いのだ。

最近は速読トレーニングなどもあるので、一度やってみようかと思っている程だ。

 

基本的に本は小説、実用書、マンガ、雑誌、、ジャンルを問わず読む。

マンガや雑誌はすぐに読めるのだが、小説や実用書など活字がメインの本になると読むスピードが遅くなる。

起業してからはビジネス書をメインに読んでいるが、これも活字がメインになる。

読みたい本を見つけるとすぐに購入し、読み始めるがいっこうにページは進まない。

途中で読むのをやめてしまい、本棚に直行なんていう場合もある。

そんな読書下手な私だが、ある時セミナーに参加している時に、その講師が「ビジネス書の読み方」について話し始めた。

 

「みなさん、ビジネス書は読んでますか?起業家にとってビジネス系の本は著者の経験や知識を手軽に学習できる非常に優れたツールです。」

本のことを「ツール」と言ってしまう感じが講師っぽい。

「ネットやブログから知識を得る方もいると思いますが、やはり本を書くというステータスに魅力を感じている著者は多いので、ネットの情報よりも本に書いてあるノウハウの方が濃厚だったり実践的だったりするものです。」

という感じで話し始めた。

 

「ちなみに皆さんは、本を買われたらいつ読みますか?」

こういう質問を会場の50人の受講者に向けて質問してきた。

「買ってすぐに読む方、手を挙げてみて下さい」

半分ぐらいの人が手を挙げた。

「買った日は読まずに、2、3日後に読むという方」

10人ぐらいが手を挙げた。

「買っても全然読まずに、結局何ヶ月も放置してしまう方」

恥ずかしながら、私を含め数人の手が挙がっていた。

「はい、ありがとうございます。では買ってすぐに読むという方だけに質問します」

悲しくも私はこの質問に該当しなかった。

「買ったその日に最後まで読み切る方は、どれぐらいですか?」

10人ぐらいが手を挙げた。

「ではその10人の方に質問します」

何の基準かは不明だが、だんだんと絞られて来ている。

 

「最初から最後まですべて読む方は、どれぐらいですか?」

 

この質問に私は疑問があった。

買った日に最後まで読み切ると言ってるのに、最初から最後まで全部読むのは当たり前じゃないのか。

質問の意味がよく分からない。

全部読むと言ったその10人も、ちょっと首をかしげていたが、おおよそ9人が手を挙げた。

すると残った1人に講師が質問した。

「あなたは買ってすぐに本を読むのに、全部読まないのですか?」

その1人はこう答えた。

 

「買ったその日に読みますが、興味のあるページだけを選んで読みます。興味がないページは読みません。読むことよりもそこに書いてあることを試してみたい性格なので‥‥」

 

それを聞いた講師は、パチパチパチと拍手をした。

「模範的な本の読み方ですね!素晴らしいです」

こう言ってその1人の方を褒めていた。

「興味のあるページだけ読むって、、全部読まないの?もったいなくない?」

こんなことを考えていた私の心を見透かすように、講師は話し始めた。

「ビジネス書は小説やマンガのように読んで楽しむものではありません。

どちらかと言うと雑誌のように自分にとって必要な事が書いてあるページをパラパラっとめくって見つけ、そこだけ読めばいいのです。」

さらに続ける。

「全部を読むことに価値はありません。それよりも、見つけたページに書いてあるノウハウや知識を読んですぐに実践する事の方が大切です。全部読まないともったいないとか言ってゆっくり読書していると、その間にビジネスチャンスを逃します」

さらに続ける。

「あと、読み終えた後に古本屋に高く売りたいからと書き込みやページの折り込みを全くせずキレイに読む方もいますが、ビジネス書はもっとガツガツ読んで下さい!」

私のことを言っているのか?心当たりがありすぎる。

「大切だと思えば線を引いたり文字を書き込んだり、何なら重要なページを破って壁に貼ってもOKです。

ビジネス書を読む目的は書いてある事を頭に叩き込んで、とにかく実践することなんです。

読み汚してなんぼです。それぐらい使い倒して自分のスキルになれば、笑顔でゴミ箱にシュートして完了です」

 

それ以降、私も必要なページをサクッと読んで、なるべくすぐに実践するようにしている。

最初から最後まで読破しなくてもよいこの読書スタイルは、私に合っているかもしれない。