レッドオーシャン・ブルーオーシャン

 競争の激しい既存市場をレッドオーシャン、競争のない未開拓市場をブルーオーシャンとビジネスの世界では呼ばれている。

顧客にとってあまり重要ではない機能を省くことにより、ライバルと差を付け競争のない業界でビジネスを行う事が可能になる。 

 

例えば、理髪店や美容院の店舗数の多さは目を見張るものがある。

ガラス張りのオシャレな店舗をあちこちで見かけるだろう。

明らかにレッドオーシャンの業界と言える。

この中で、最近増えてきた10分1000円の理髪店。

これが「ブルーオーシャン」を狙った成功例と言えるだろう。

理髪店のお決まりメニューは、カット→洗髪→顔剃り→ヘアセット。

だいたい料金は3000円前後だろうか。

このメニューから「カット」のみに特化したのが、10分1000円の理髪店の特徴だ。

理髪店で最も専門的なサービスは、やはりカットだろう。

髪を切るのは素人ではなかなかできない。

だが洗髪や顔剃り、ヘアセットは自分でできる人も多いだろう。

ここに狙いをつけ、カットだけを行う理髪店として展開し、ヒットしたのだ。

カットだけなので時間も10分に短縮できる。

料金も少なく抑えられる。

こういう割り切ったサービスに目をつけ、そこに競争相手がいなければブルーオーシャンの中でビジネスが可能になる。

 

ゲーム機のWiiも業界のヒット商品となった。

プレイステーション、Xbox、パソコンなどゲーム機でもライバルは多い。

だがWiiは今までのゲーム機のような十字キーと多くのボタンが配置されたコントローラで遊ぶスタイルから、「Wiiリモコン」という振ったり振り回したりして遊べる新しいコントローラを開発することにより、小さい子どもや年配者にも遊べるゲームを出すことに成功し、ブルーオーシャンを開拓した。

すでにライバル企業が満載のレッドオーシャンで勝負するのであれば、相当の企業体力と財力、人員やコネクションが必要になるだろう。

そこへ新規で突入するのは、1人裸で戦国時代の鉄砲隊に突っ込んで行くようなものだ。

少し頭を使って「まだ誰もやっていないこと」を見つけ出し、ブルーオーシャンで優雅にビジネスをする方が賢いと言える。

ただ、「ブルー」だからといって、いつまでも一人勝ちできるかと言えばそうではない。

商品やサービスが一般的に認知され、企業参入が続けばすぐに「レッド」になるのは目に見えている。

ビジネスの世界はいつでも戦国時代なのだ。