単純接触効果

これは繰り返して接していくうちに、だんだんと好感度が上がっていくというものだ。

 

ビジネスを勉強し始めてから、いろんな理論やセオリーを目にする事が多いので、しばらくこのシリーズで紹介して行こうと思う。

今回は単純接触効果、別名はザイアンスの法則とも呼ばれている。

 

「あー、それ知ってる!!」

人は外部から新たな情報が入ってきた時に、自分が既にそれを知っていた場合、とても心地いい感覚に陥る。

知っている人、知っている場所、知っている音楽、、、

それは全て「安心感」からくるものなのだ。

人間というものは、自分が知らない事に対して非常に恐怖感を持つ。

知らない事をすんなりと受け入れる人は、どちらかというと少数派であろう。

「何それ?聞いたことない。知らない」

知らないことに対しては、まずは拒否する態勢をとってしまうのだ。

それも仕方ないことだろう。

安全か危険かも分からない状態で、そう簡単に受け入れることはできない。

1度や2度では簡単に心を許さないのだ。

 

しかし何度も同じ情報が入ってくると、次第に人は心を開いていく。

それは単純に「慣れ」であるとも言えるが、接触しているうちに「安全である」「メリットがある」ということを発見すると、次第に好意に変わっていくからだ。

学生時代、新学期に誰もが嫌だと思う事が「クラス替え」だ。

「あ〜、このクラスが今までで1番楽しかったのに、、、」

仲良くなれた友達と別れ、新しいクラスで知らない人と一緒に過ごす。

クラス替えをしたばかりの4月から5月は、みんな緊張してクラス全体も静かなものだ。

だが1年も経つと、クラスは非常に騒がしい。

1年前のクラス替えの時に1番だと思っていたクラスは、既に塗り替えられて今の方が良くなってたりするものだ。

毎日顔を合わせているうちに、単純接触効果で好感が出てくるいい例だ。

 

自分が好きな人とお付き合いがしたい!と告白して玉砕した人も多いだろう。

この時、全くしゃべった事もない相手にいきなり告白したりしていないだろうか。

これは恋愛マスターの本?にも書いてあったのだが、遠目から見てるだけの1度も話した事のない人にいきなり告白の場合は、失敗する確率が高いそうだ。

同じ学校、同じ会社であっても接触したことのない人は、こちらを意識していない相手からすると全くの初対面である事も多い。

初対面の人にいきなり「付き合って下さい」と言われても、「ごめんなさい」が当然だろう。

ここでもやはり、単純接触効果を活用すべきだろう。

その名の通り「単純」に「接触」すればいいのだ。

顔を見かけたら挨拶するとか、機会を見つけて声を掛けるとか、まずは話をするキッカケを作るのが先決だ。

何度か顔を見て話をしている間に、向こうにこちらの存在を認知してもらって、徐々に仲良くなって行くのだ。

告白するのはその後だ。

仲良くなってから告白する方が、お付き合いできる確率は高くなるそうだ。

ただ、こればっかりは確率の問題なので、いくら仲良しになったからといって毎回上手く行くとは限らない。

あと、単純接触効果を狙いすぎて変に絡みすぎると、ストーカー扱いされるのでこれも注意が必要だ。

さりげなく、自然に、相手に不快感を与えない事が鉄則なのは言うまでもない。

 

このように人に好意を持ってもらうには、単純接触の回数が多い方が良いというのがわかる。

飛び込み営業でもチラシでも、1度や2度断られたぐらいでやめてはいけないということだ。

数回の接触で心を開く人もいれば、数十回以上の接触がないと心を開かない人もいる。

ガードの固さは人それぞれだ。

諦めずに、攻め続ける姿勢が重要なのだ。