「私はクリエーターじゃないので、
技術の事はよくわかりません」

 

こういうセリフをあっさりとクライアントにいう人がいる。
自社の商品を売っている時にでもだ。

 

確かにセールスマンであれば売るのが仕事だ。
自社の製品であっても、開発に携わっていなければ、
詳しいことはわからない。

 

だが営業に行けば、
クライアントに技術的な質問もされるだろう。

 

簡単に予想できることだ。

自分が技術についてわからないのであれば、
技術担当者を営業に同行させるのが当然だろう。

 

「技術者を営業に同行なんて、
ウチの会社はそんなにヒマじゃない」

 

技術知識がないセールスマンが1人で営業に行っても、
売れるものも売れない。
商品の特色や機能は開発者が一番よくわかっているからだ。

 

スモールビジネスをやっている我々のような起業家であれば、
企業のようにセールス、技術などと仕事分担はされていない。
代表である自分が、全てやるのが普通だ。

 

収益を上げるためには、マーケティングが必須だ。
そのため売ることばかりに目が行って、
技術的なことが疎かになる。

 

自社の商品を外注で作っていたりすると、
機能や特徴を把握しきれていない代表も多い。

 

そんな事で、本当に売れるのだろうか。

 

クライアントはこちらの商品が自社で作っているのか、
外注なのか、そんな事は知った事ではない。
セールスに来る以上、売りに来た窓口の人が
全て理解していると、思うのが当然だろう。

 

なのに質問をしても

「今はわかりかねますので、また後日ご連絡いたします」

売りに来た人が自社の商品について即答できない会社から、
商品を買いたいと思うだろうか。

 

ビジネスを成功させるにはマーケティングだけでなく、
クリエーター気質を持って仕事をする必要がある。

 

自社で商品開発をしているのであれば、
自ら制作過程を経験するのが一番の近道だ。

 

商品が外注で開発の現場に行くことができないならば、
外注先の技術担当にテクニカル的な話を聞いておく。

企業秘密で教えてくれない。

そういう声も聞こえて来そうだが、
セールストークのブラッシュアップのために
聞ける範囲で聞けばいい。

 

とにかく売るばかりでなく、
技術のスキルを上げておく事が重要なのだ。

 

クライアントの質問に「わからない」というのは簡単だ。
だが、その言葉を言った瞬間に向こうの購買意欲は喪失し、
ビジネスパートナーを失う可能性がある事も認識しておく必要がある。