学生の時、先生はよく黒板に問題を書いてからこう言う。
「この問題わかる人〜?手を挙げて!」
クラスの問題の理解度を調査するつもりで手を挙げさせているが、この方法では正確な調査は決してできない。
なぜなら人間心理が大きく関わってくるからだ。
下記の①か②のパターンが非常に多い。
①最初の数秒で誰も手を挙げなければ、その後に手が挙がる事はない。
②最初の数秒で1人か2人でも手が挙がると、続いて次々に手は挙がっていく。
これは小学校の授業でも大人になってからのセミナーでも同じことが起こる。
なぜなら人は、「違う人間と思われたくない」からだ。
①の場合は、
手を挙げると先生に当てられるのではないか。
周りの友達に頭の良さを自慢していると思われないか。
とにかく目立つのはイヤだ。
などの理由から本当は答えがわかっていても手を挙げない人が出てくる。
②の場合は、
手を挙げていないと先生にどの辺がわからないのか聞かれるのではないか。
周りの友達にバカだと思われたくない。
とにかく目立つのはイヤだ。
などの理由から本当は答えがわからないのに手を挙げる人が出てくる。
①でも②でも「目立つのがイヤ」という項目は一致しているように、周りと違うと思われる事を非常にイヤがる人は多い。
「目立つ=違う人間」という認識があるからだ。
ビジネスの世界では目立つことは非常に大切だと言える。
埋もれて目立たないものはどんなに良いものでも売れない。
そこそこのものでも目立ちまくれば売れていく。
ビジネスでは「目立つための行動」が日々必要になってくると言える。
高校生の時、ある授業で先生が「この問題わかる人〜?」とそこそこの難問を出してきた。
当然手は挙がらない雰囲気だったが、1人だけビシッと手を挙げた女子がいた。
その子は普段ちょっと暗めの大人しい感じの子で、授業で手を挙げるのは珍しかった。
先生も思わず、「お、わかるのか!?ちょっと答えてみて!」
とその女子に尋ねたところ、その子はこういった。
「問題は分かります。でも答えはわかりません。先生の質問の仕方に「問題」があるんじゃないですか?」
先生の顔は完全に怒っていたが、クラスは大爆笑になった。
その日からその子はクラスの人気者になり、みんなにチヤホヤされるようになった。
後にその子は自作のアクセサリーショップをオープンし、雑誌の取材が来るほど大きな店に成長させオーナーとして有名になったと風のウワサで聞いた。
学生時代は「変わった事を言う子だな」ぐらいの感じでしか思わなかったが、その子が手を挙げた時は本人にとっても一大決心だったに違いない。
意を決した1つの「目立つ」行動が、その後の人生を変えたと言えるだろう。
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