「オレはこの仕事に興味はない。
以前の職場の上司だった次長は、
「お前はこの仕事が好きでこの会社に入社したのかもしれんが、
そう言いながら、今度はキンキンに冷えた生ビールをゴクと流し込んだ。
「ただ稼げそうだと思ったから入社したんだ」
普通の会社の上司なら、仕事を好きにならないと出世しないぞ!
私はその上司の次長を何だかんだで尊敬していた。
会社の次長ともなるとふんぞり返って部下をアゴで使うようないわゆる「ウザ上司」の象徴だが、そう言った偉そうなそぶりもなく、ただの平社員だった私とも気軽に飲みに誘ってくれるような人だった。
そして日本のサラリーマンによくいる「イエスマン」ではなく、会社にしっかりと意見を言う人でもあった。
だが好きな事を仕事に選ばず、ただ金を稼ぐために働くのって、
以前の仕事は本当に好きな仕事だった。
私はその上司に反して「仕事は好きでないと続けられない」
独立すると当然だが収入が減った。
やはり稼ぐビジネスをする必要があるという考えになった。
今はメインの仕事半分と、稼ぐためにやっている仕事が半分。
その稼ぐためにやっている仕事は、
本当にただ稼ぐためだけに始めた。
楽しくもない作業をこなし、収益につなげるビジネス。
就職活動していた頃にこの仕事を見つけても、
だが、それを今仕事にしている自分がいる。
今は10年前に次長が言っていたことがわかる気がする。
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